東京高等裁判所 昭和53年(行ケ)33号 判決
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【判旨】
二そこで、原告主張の審決の取消事由の存否について考察するに、まず、(一)、(二)の事実は当事者間に争いがない。
ところで、商標登録出願において、その指定商品が二つ以上ある場合に、出願人が一部の指定商品についてのみ商標登録出願により生じた権利を放棄することは、商標登録出願の一部放棄として自由にしうるものであり、また、登録出願の放棄時期も設定の登録があるまでであり、さらに、登録出願の放棄は、出願人の一方的な意思表示であつて、それが相手方たる被告に到達すればその効力が生ずるものである(東京高等裁判所昭和五三年六月二一日判決、昭和五二年(行ケ)第一二〇号審決取消請求事件参照)から、本願商標の指定商品は、原告主張の指定商品一部放棄によつて、第一〇類「手術用機械器具、治療用機械器具、歯科用機械器具、獣医科用機械器具、義肢、義眼、義歯その他の医療機械器具」に減縮されたものである。
一方、引用商標については、原告主張の商標権の一部抹消登録がされており、その残与する指定商品と本願商標の残存する指定商品とを対比するに、本件においては、本願商標の指定商品中に、引用商標の指定商品及びその類似商品が包含されていることを認めるに足りる証拠は存しない。
右のとおりであるとすれば、本願商標は、引用商標に類似しないというべきものであり、両商標が類似するとし、本願商標が商標法第四条一一号に該当し、登録を受けることができないとした審決の判断は、結局誤りであつて、審決は違法であるから、取消されるべきものである。
(荒木秀一 石井敬二郎 橋本攻)